GPX-NスタッフコラムVol.2「沖縄への送料が…!?  EC物流には数々の驚き(前編)」


 

GPX-Nでは様々なプロダクトのEC構築・運用をサポートしておりますが、担当するスタッフの“現場の声”をお届けするスタッフコラムをシリーズでお届けします。
 
第2弾は「倉庫・在庫・物流管理」をご紹介。「倉庫・在庫・物流管理」は、お客様をつなぐECビジネスの要ともいえる部分です。要であるのにコストをはじめ、あらゆる起こりうるトラブルを意識せずスタートして、ビジネスの根幹を揺るがすことも少なくありません。
 
そこで、ぺブルコーポレーションの製品、
非接触型自動検温装置「サーモゲート零」および検査キット「Medic-Lab」で「倉庫・在庫・物流管理」を担当する堀内に自身の経験を語ってもらいます。

 

カスタマーサポート一筋から物流へ新しい分野の仕事にチャレンジ

 

こんにちは。堀内です。ぺブルコーポレーションには2020年に入社し、物流・ECの担当として、物流関係の社内調整、メーカーや倉庫への連携、発注、在庫管理、納品の取りまわし、顧客対応など幅広くこなしています。今回お話しするのは、非接触型自動検温装置「サーモゲート零」および検査キット「Medic-Lab」の物流を担当してみた経験談です。

 

サーモゲート零は、2020年9月発売で、8月の予約販売開始時から問い合わせが殺到していました。新型コロナ関連商品なので社会的な関心が非常に高かったようです。

 

販売して間もない頃は、本来は室内で体温を検知する装置であるのに、お客様が直射日光下に設置してしまい、暑さに反応してアラームが鳴ってしまうなど、基本的な使い方についての問い合わせが多くありました。売り出し当初は当社にもマニュアルが完備しておらず、お問い合わせがある度に個別に説明していました。その後ある程度ノウハウがたまってきた時点でマニュアルやQ&Aを更新して、ウェブページにも反映。重ねてご案内したところ、ようやくお客様に理解していただいた上で購入してもらえるようになりました。

 

サーモゲート零に関して注意していたのは在庫調整です。代理店からの大量の注文が入ることがあるのですが、急に発注がきても1日に出荷できる数量は限られているので対応できません。そこで、販売チームと連携して早めに発注予定を共有してもらい、出荷準備期間を長く取れるよう工夫していました。

 

「こんなにお金も時間もかかるの?!」とはじめて知る事実に驚く日々

 

前職まではネットワークサービス、動画配信サービスから、ネットスーパーなどのカスタマーサポート等を担当しました。入社してからもカスタマーサポート一筋でしたが、物流の仕事は初めてで、温度計という商品もはじめてだったので、新鮮な驚きを感じることがたくさんありました。

 

たとえば、「沖縄への送料の高さ!」には驚きました。大型のオプション品は、沖縄への送料が想定外に高くなんと17,000円もするのです。

 

サーモゲート零も当初は本体のみを販売していて、製品自体は小さくて軽いものなのでさほどコストを気にせずに済みましたが、途中から大型のオプションが加わり、そこではじめて配送料の現実を知ることになったのです。沖縄離島地域への配送は高いので、商品の大小にかかわらず、配送料はしっかり考えておいたほうが安心です。サーモゲート零は結局、送料を一律にすることにしました。

 

サーモゲート零のような新しい商品を販売するにあたって、まずチェックしておきたいのが保管方法と配送方法です。物流のポイントはコストの割合を見極めて価格を決めることですが、この「保管」および「配送」はコストとして価格にダイレクトに反映されるものだからです。

 

配送日数も体感としてわかっていませんでした。特にコロナ禍で飛行機便が減便になったために、船便にせざるをえないことがあったのですが、船にするだけで1週間も多く日数がかかってしまいます。お急ぎのお客様には個別にお知らせするなどして対応しました。サービスを始める際には、すべてのことを細かく想定して、事前に設定することが大事だと実感しています。

 

とはいえ、配送に関してはコロナ禍でなかなか先が読めない状況が次々と起こりました。そこで、毎日配送業者さんと密に連携をとって柔軟に対応をするよう心がけていました。物流は天候や事故、自然災害などの影響も受けますし、たとえば配送先のA郵便局がコロナ休業で配送できなくなったというような、想像を超える状況も日々起こり得ます。ですから、現場の状況をリアルタイムでよく知っている物流業者さんとのコミュニケーションはとても大切です。

 

業者さんとのやりとりで、私がはじめて学んだのは“価格交渉”です。たとえば、ある商品を売りたいとなったときは、各配送業者さんが価格案を出してくれるので、そこから「〇〇を配送する場合はA社が良い」「このエリアに配送する場合はB社が一番安い」というように試算して最適な配送先を選びます。私は、どんなケースでも1社にまとめて、決まった料金で出すものだと思いこんでいたので新鮮でした。小型配送が得意なところ、大型配送が…などがあり、複数社から相見積もりをとって契約するものだとはじめて知ることができたのです。

 

そのおかけでコストを勘案でき、お客様の利便性を融通できる一律送料で配送できるようになりました。

 

仕事における交渉の大切さを学べたのも、物流の仕事をしたおかげと思っています。

  

カスタマーサポート出身ながらも、「倉庫・在庫・物流管理」という新しい業務で送料や配送日数など、事前のリサーチが大切であると、いろいろな学びがあった堀内。

 

次回の後編ではAmazon独特の「倉庫・在庫・物流管理」の仕組みやカスタマーサポートを兼務するからこそのノウハウについて語ってもらいます。

 

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