GPX-NスタッフコラムVol.2「沖縄への送料が…!?  EC物流には数々の驚き(後編)」

 

前回「倉庫・在庫・物流管理」に初めてトライする上で、送料や配送日数などの落とし穴を体験した物流管理担当の堀内に語ってもらいました。今回は続きのお話を語ってもらいましょう。

 

アマゾンを利用するならアマゾン独自のシステムを知っておくことが必須

 

非接触型自動検温装置「サーモゲート零」を販売するにあたり、公式物販ページを作成しました。こちらで入った注文での配送に関していろいろな気づきがあったことに関しては、前回お話したとおりです。

 

加えて、「サーモゲート零」をAmazonで販売することになりました。

 

まず、そもそもAmazonで販売することができるかのリサーチから始めました。またAmazonにはFEE(使用料)もあり、利益が見込めなければ赤字になりますので、こちらも同時に検討しました。

 

次に、どのカテゴリーで売るか。世の中で既に売られているものであれば、ほかを参照して決めれば良いのですが、非接触型自動検温装置は当時あまりなじみのない新しい製品でしたので、正しいカテゴリーかつ売れるカテゴリーを探さなければなりません。

 

Amazon担当者からは「体温計」という認識をされて、「医療系ではないですか?」と聞かれたのですが、そうではないと。最終的に「オフィス用品」の「産業研究開発用品」の中の「温度計」というかたちに落ち着きました。迷ったときはAmazonの担当者に相談するとよいと思います。

 

さらに、出荷方法もAmazonならではの仕組みがあります。Amazonには倉庫から自動出荷してくれるシステム(FBA)があり、公式物販ページの弊社からの発送のほかに、Amazon倉庫からでも発送できるチャネルを持つことができたのは強みとなりました。

 

当社の倉庫・発送方法は、公式物販ページからの

 

①本社在庫からの発送

②弊社管理→契約倉庫からの発送

 

だったのですが、こちらに以下が加わり

 

③AmazonのFBAを利用した発送

 

の3種類となりました。

 

Amazon倉庫からですと土日祭も発送でき、在庫管理もAmazonが自動でしてくれるのが大きなメリットです。販売の窓口と発送のチャネルが増えたことは歓迎ですが、毎日何をどこにいくつ納品するかを考えて管理しないといけません。どの倉庫を使うかでさまざまなことが異なってきます。

 

例えば、ピックアップ経費。自社倉庫からならピックアップなしで発送できますが、借倉庫の場合はピックアップコストがかかります。ボリュームディスカウントの余地もあるので、販売予測も関わってきます。

 

返品ルールも違います。③のFBAではお客様からのキャンセルをAmazonが受けつけてしまうので、カスタマーサポートの余地がありません。なぜ返品したのかが詳しくわからないので、たとえば集荷や配送に問題があっても気づくことができず、改善できないのがデメリットです。

 

販売予測まで立てながら、計画的に在庫管理する必要があるのですが、なかなかこれが難しい。メディアなどで紹介されると、翌日に反響で大量に売れて在庫切れになることもあります。検査キット「Medic-Lab」の抗原キットはまさにそうでした。

 

カスタマーサポートも物流も兼務するからこそ、できることがある

 

当社では、カスタマーサポートチームが物流業務も兼務しています。私も、物流をしながらお客様対応もこなしています。できて間もないチームで人数が少ないのでこのような体制になったのですが、逆によかったと思っています。お問い合わせと在庫管理は密接な関わりがありますから。

 

物流経験者がいなかったので慣例に捉われず、まずはやってみてダメならそのときに対処しようという思い切ったチャレンジもできました。いまも会社がチームを信頼して任せてくれているので、みなで話し合いながら、試行錯誤しながら、楽しく仕事ができています。また、お客様対応と在庫管理等は密接に関連しているので、どちらにも関われるのは業務効率という点で大きな利点です。

 

「サーモゲート零」や「Medic LAB」も、カスタマーサポートと物流を両方やっていてよかったと思いました。ただ売るだけでなく、お客様の安全を守る、安心感を得ていただくことが大事な商品なので、お客様から良い反応を得られたときは嬉しいですね。

 

物流部門は先回りしてのリサーチ、コスト把握がなにより大事

 

今では、サーモゲート零やMedic LABで経験した想定外のアクシデントを、ノウハウとして蓄積できるまでになりました。物流部門は、先回りしてさまざまなことを想定して動かないと後で大変なことになる場合も。ですから、これから取扱商品が増えても、事前のリサーチに手を抜くことなくしっかりやっていきたいと思っています。

 

新しく何かを販売する際は、まず価格にダイレクトに影響する物流コストをしっかり考えること。販売にかかるコストをおざなりにすると、価格が高くなりすぎて売れるものも売れなくなるかもしれません。スピード感も大事です。旬のものをいますぐ売りたいというケースが多いので、いかに販売体制を素早く整えられるかが大きなポイントです。

 

こうしたノウハウをGPX-N経由でお助けすることもできますし、さらにこれからは新商品に開発の段階から関わり、より売りやすいかたちを提案できるようになりたいです。

 

ぺブルコーポレーションでも積み上げてきた知見を生かしてコンサルティング事業を展開しています。どうぞお気軽にご相談ください。

 

 ■今回の担当者コラムのプロフィール

堀内(ぺブルコーポレーション株式会社 プロダクト部ECチーム所属)関東出身。好きな食べ物は芋けんぴ。家に猫ちゃんを飼っていて、床が抜け落ちるほどの量の本を持っている読書家。最近の趣味はサボテンの世話。2020年入社、物流・ECの担当。物流関係の社内調整、メーカーや倉庫への連携、発注、在庫管理、納品の取りまわし、顧客対応など幅広く担当している。

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