ECサイトの成功事例に学ぶデータ分析戦略

今回はECサイトの売上UPに欠かせない「データ分析」戦略について、前回に引き続きMedic LABの実例を踏まえながらご紹介します。 

ポイント①:ヒートマップ分析を活用しバナーを追加 

■ECサイトで重要なのは顧客の「動線」 

 

前回、「動線」と「導線」の重要性についてご紹介しましたが、今回は具体例を交えながら、どうやってそれらの「どうせん」を売上アップに繋げたかを見ていきたいと思います。 

 

ECサイトといっても実店舗にお客さんが訪れるのと同じで、ディスプレイや陳列の順番で、売上は大きく変わってきます。 

 

例えば、ベージュのパンツが欲しいと思っているお客さんが実店舗の前を通りかかったとして、見えるところにベージュのパンツがあれば、すぐに入ってくれますよね。 

 

黒のパンツしか見えない場合でも、「黒のパンツがあるならベージュもあるかも」とお店に入って探してくれる人もいるかもしれません。しかしパンツが奥の見えないところに置いてあった場合、お客さんは気がつかないまま「ここにはベージュのパンツは売っていない」と思ってすぐに次の店に移動してしまう可能性があります。

 

ECの世界でもこういうことが当たり前のように起こっています。しかも実際の移動を伴わない分、すぐにお客さんはページを離れていってしまうのです。そのため、ページを訪れてくれたお客さんを迷わせず、直感的に「買う」ところまでもっていくということが非常に大事な要素となります。

■導線と動線の違い 

 

前回の補足になりますが、「導線」とはサイトを訪問したユーザーを最終的なゴールまで導く道順で、サイトオーナーがユーザーの動きを予測して用意するものです。 

 

一方の「動線」はユーザーがサイト上をどのように動いたかという足跡で、ユーザーの心理や行動を分析するデータになります。 

 

上記の実店舗の例で考えると、お客さんの見えやすい位置にベージュのパンツを置くといった「動きやすいルート」を用意して「最短でゴールに辿り着けるよう工夫する」ことが「導線」の考え方となります。 

■ヒートマップを活用し導線を設計 

 

Medic LABでもお客さんの「導線」を分析するため、ヒートマップと呼ばれるツールでサイト内の動きを確認しました。すると、「抗体検査」と「抗原検査」それぞれの商品ページへ分岐する点で迷っている人が多いということがわかったのです。

 

更に、他のページに比べ各商品ページへのアクセスがかなり多かったことから、商品の詳細を知りたい方や、自分がどの商品を買うべきかで迷っている方が多いことがわかりました。そこで、迷ったお客さんの道しるべとなるよう「抗原?抗体?迷ったらこちら」というバナーを設置。「抗原検査と抗体検査の違いや、どんな時にどちらの検査キットを活用すべきか」について解説したページに誘導ました。すると、「抗体検査」「抗原検査」どちらの重要性も理解したうえでセット買いをする人が増え、購入単価が上がったのです。

■GAのデータからバナーの設置位置を変更

 

「迷ったらこちら」のバナーは追加当初、サイトのかなり下の方に設置してありました。 

 

ヒートマップではこのバナーからのアクセス数をきっちり見ることができなかったのですが、「Google Analytics」(GA)という分析ツールを使って実際のデータをかなり細かく分析していくと、「迷ったらこちら」のバナーから説明ページを訪れた人の購入率が高いことがわかりました。 

 

そこで、このバナーをトップページの更に上の分かりやすい位置に移動し、訪問者への訴求を強くしてみたところ、クリック数が目に見えて上がり、商品ページのアクセスも増加したのです。

 

この実例から、ユーザー目線でデータに基づいた「導線」を作ることで、売上にも大きく影響するということが言えるでしょう。 

ポイント②:顧客行動を分析し、新商品で客単価を上げる   

■メインターゲットのシフトをデータで把握

 

Medic LABのサイト作成当初は、法人のまとめ買いニーズを予測していたため、商品のラインナップも法人向けの大量セットが中心でした。当初はこの読み通り、法人による大量購入もありましたが、コロナ関連商品という特性上、感染状況の拡大・縮小に応じて売り上げ状況が大きく変わっていきました。 

 

発売当初の2月〜5月は法人の需要が多かったのですが、夏ごろから法人のまとめ買いが減って客単価が低下。需要が個人消費にシフトしたことがデータからもわかるようになったのです。

■個人消費の状況をデータ抽出で分析

 

当初、個人顧客をメインターゲットに想定していなかったということもあり、個人用の検査キットはセット販売がなく1回分のみを販売していました。しかし顧客データを分析すると、1回分の検査キットを3個、5個、10個とまとめて購入する人が多いことが判明。個人向けにこれらのセット商品を作って販売することにし、客単価を上げることに成功しました。 

ポイント③ ECサイト運営成功の鍵はデータ活用

■実店舗もECサイトも心理は一緒

インターネットの世界になった途端に身構えてしまう方が多いのですが、実店舗でもECサイトでも、お客さんの心理は同じです。なので、お客さんの心理や視点を理解し、提供者側がそれを接客やサイトに表現することが非常に重要になってきます。 

 

また、その時の市場の状態に合わせて常に最適化していくことも大事なポイントです。これはECサイトの方が他の販売チャンネルよりも素早く対応できるためく、ECサイトのメリットが活かせる点でもありますね。

■ECサイト運営で一番大切なものとは…

 

他にも、日々発生する様々な課題に即座に気づき、社内やチームで連携を取りながら改善を進められる体制づくりも非常に大切です。

 

実はECサイト運営で一番大切なのはディレクションと言われています。多くの人が関わるプロジェクトで、各セクションの状況を吸い上げ、全体の「認識」を一致させながら、各セクションが同じ方向に向かい船を漕いでいく必要があるためです。そのためにはデータを分析し、その結果をもとに作戦を練ることで、新たな突破口を開いていくことができます。 

 

まとめ

  

これまで3回にわたり、「広告戦略」「デザイン戦略」「データ分析」と、Medic LABの成功例をもとにECを成功に導くポイントをお伝えしてきました。

これらの事例が示している通り、GPX-Nなら「広告戦略」「デザイン戦略」「データ分析」に基づいたサイトの最適化をワンストップでご提供し、成功に導くことができます。ECに関する業務をトータルでご支援するのはもちろんのこと、各サービスを部分的にご提供することも可能です。


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